2019年4月10日(太平洋標準時)、19回目の OpenStack リリースとなる「OpenStack Stein」が正式公開されました。
Kubernetes 等のコンテナ実行基盤の構築・運用に有用な機能が多数実装されました。
- Magnum(コンテナ実行基盤管理):Kubernetes基盤の構築時間を大幅に短縮
- Manila(共有ファイルシステムサービス基盤):Kubernetes の永続ストレージとして利用可能に(OpenStack Cloud Provider経由)
- Neutron(ネットワークサービス基盤):仮想ポートの一括作成に対応
- Ironic(物理マシン管理):構築テンプレートに対応。設定ドライブと異なり、物理マシンと設定データのセットをテンプレート化。
更に、5G、エッジコンピューティング、NFV 用途でのネットワーク機能も強化されました。
- 従来 Neutron では設定ファイルを使用して静的にネットワークセグメント範囲管理設定を行っていましたが、Stein リリースで ネットワークセグメント範囲管理 REST API が実装され、柔軟に設定できるようになりました。StalingX やエッジコンピューティング用途に有用です。
- Neutron でネットワークの最小帯域を管理できるようになりました。Nova 上でネットワークの最小帯域を指定して VM を作成可能になり、NFV などネットワークを多用する用途に有用です。
- Neutron の QoS 関連 REST API のポリシー(アクセス制御)を改善しました。QoS ルールの削除、表示、更新がより効果的に実施できます。
また、各種リソース管理機能も強化されました。
- Blazar(リソース予約サービス基盤):新しいリソース割り当て API を実装しました。これにより、運用者が管理するクラウドリソースの予約状態を取得できます。
- Placement(リソースインベントリ):元々は Nova プロジェクトの一部でしたが、Stein で独立したプロジェクトになりました。
- Sahara(ビッグデータ基盤構築サービス基盤): コア部分+プラグインにリファクタリングされました。
詳細は以下を参照ください。