OpenStack Pike リリース

米国時間2017年8月30日、OpenStack の16番目のバージョン「Pike」がリリースされました。
約6ヶ月の開発期間中、1825名の開発者が本リリースの開発に貢献しました。

公式情報(英語)

日本語記事

本リリースでは、以下を始めとする多数の機能が強化されています。

  • Nova Cells v2: Nova Cell アーキテクチャは compute サービス基盤の大規模構成と拡張性をサポートします。バージョン2では制御基盤のDBとメッセージキューを分散して拡張性を向上し、また障害が発生したドメインの分離、単一障害点の排除に貢献します。
  • Python 3.5 アップグレード: 2020年に予定されている Python 2.x のサポート終了に備えるため、全プロジェクト横断で Python 3.5 への対応を行いました。またこれにより、将来の新機能や性能向上等のメリットを得られるようになりました。
  • etcd の活用: OpenStack Summit Boston のフォーラムにおいて、ユーザと開発コミュニティは OpenStack 用の分散ロック管理機構として etcd v3 利用を決定し、Pike リリースで etcd 対応が始まりました。
  • Ironic 物理マシン管理サービスの成熟: マルチテナント Neutron ネットワークの接続機能など、Pike リリースの Ironic は成熟化を進めています。また、Cinder, Neutron, Nova, Swift に続き、Ironic もローリングアップグレードに対応しました。これにより、サービス無停止で Ironic のソースコードのバージョンアップが可能になります。
  • Cinder スナップショット復元と接続中ボリューム拡張: 「スナップショット復元」は、データ破壊からの復旧やテスト実行後のリセットを可能にします。また、VM接続中のボリュームのサイズを VM 無停止でアプリケーション実行中に拡張できるようになりました。
  • Swift オブジェクトストレージの遠隔 Erasure Code 対応: リージョン間ネットワークがダウンした場合でも、個々のリージョンは変わらず機能できます。また、1リージョンの故障の復旧に別リージョンを利用できるようになりました。Swift はまた、1サーバ上で複数の同時実行プロセスを稼働させる事により、性能を向上できるようになりました。
%d人のブロガーが「いいね」をつけました。