OpenStack "Diablo" リリース
2011年9月29日に OpenStack の第4版となる「Diablo」がリリースされました(リリースノート)。
既存コンポーネントの新機能は以下の通りです。
OpenStack Compute (Nova)
- 大規模な計算クラスタを実現する、ゾーン間の分散スケジューラ
- DHCP、VLANネットワークで高可用性を実現する、マルチホストネットワークモード
- ボリュームからの起動、ボリュームのスナップショット、ボリュームの複製に対応
- KVMでのインスタンスのサスペンドとレジューム対応
- ホストメンテナンス時の自動的なインスタンス移動
- 仮想ストレージアレイ(VSA)対応
OpenStack Object Store (Swift)
- コンテナを基準とした、複数の地理的位置へのデータレプリケーションを可能にする、複数クラスタ同期
- ストレージノードとプロセスの監視を可能にする、Swift Recon ミドルウェアの最初のリリース
- コンテナレベルでの統計レポート機能
OpenStack Image Service (Glance)
- 大量のイメージストアの管理を簡略化する、新しいフィルタリング機能や検索機能
- テナント間のイメージ共有機能
- 性能を向上する遅延イメージ削除機能
また、次の Essex リリースに向けて、以下のコンポーネントが開発中です。
OpenStack Identity (Keystone)
Nova, Swift を始めとする全 OpenStack コンポーネントが使用する統合ユーザ認証管理サービス。トークン(Webのセッションのようなもの)ベースの認証機能を提供します。バックエンドのユーザDBとして、LDAP、ActiveDirectory、SAML、Oauth、リレーショナルデータベースのサポートが計画されています。
OpenStack Dashboard
各種 OpenStack コンポーネント用の WebUI。本プロジェクトはプラグイン型の構造を採用しています。これにより、企業は OpenStack の基本機能を拡張するサービスや製品を構築できます。現在、仮想インフラ、使用可能リソース、オブジェクトストア、ネットワーク、セキュリティグループ等を可視化して管理する、ユーザ用画面と管理者用画面の両方を提供しています。
OpenStack Quantum
OpenStack の Network as a Service (NaaS)。現在 Nova で利用可能なネットワークモデルより進んだ、先進的なネットワークトポロジに対応します。Quantum は、VLAN の制限を回避する為に Layer 2 over Layer 3 トンネリングをサポートし、同様に流量制限や QoS 等をサポートする予定です。また、NetFlow (訳注:OpenFlow?) 等の監視プロトコルサポートを提供する予定です。