OpenStack "Essex" リリース
2012年4月5日(日本時間で4月6日)に OpenStack の第5版となる「Essex」がリリースされました(リリースノート、参考資料、sf.jp記事)。200人以上の開発者と多数のテスターによる6ヶ月間の開発期間と4回以上のマイルストーンを経た正式リリースであり、一般の企業・組織・学校等での導入・利用にも適しています。
特設ページには最新の OpenStack Dashboard (WebUI) のスクリーンショットや動画が掲載されています。
OpenStack Object Storage (Swift)
- オブジェクトの有効期間対応
- Webフォームからのアップロード対応(一時的なURL付き)
- Swift コマンドが OpenStack 認証 API バージョン 2.0 に対応
OpenStack Compute (Nova)
- Keystone 連携の推進(独自のユーザ・プロジェクト・ロール管理の廃止)
- 操作種別毎に設定可能な、ロールベースのアクセス制御
- openstack-common ライブラリの採用(設定ファイル等をOpenStackコンポーネント間で共通化)
- 仮想化方式毎の機能差異の縮小
- 管理API拡張(システム管理系の操作を拡張API化)
- EC2 API経由のディスクイメージアップロード対応
- Volume API が独立
- ネットワーク情報とVM情報の分離
- RPC(プロセス間通信)の改良:メッセージのタイムアウト対応、Apache Qpid対応
- メタデータ API が独立
- 複数のフローティングIPプール対応
- 他、50以上の新機能、750以上のバグフィクス
OpenStack Image Service (Glance)
- ロールベースのアクセス制御対応
- イメージ保護フラグ(削除禁止機能)対応
- Glance API プロセス数設定
- データバッファ用ディレクトリのカスタマイズ対応
- 外部からのイメージのコピー対応
- 通知機構の Apache Qpid 対応
- イメージアップロードのプログレスバー(進捗グラフ)対応
OpenStack Dashboard (Horizon)
- モジュール構造(拡張性)
- ダッシュボード、パネル
- データ一覧表
- タブ、タブグループ
- Nova関連
- ボリューム管理対応
- VMインスタンス管理の改善
- フローティングIPアドレスプール管理対応
- 新しいVMインスタンスとボリュームの詳細情報
- 設定
- EC2クレデンシャルのダウンロード対応
- OpenStack rcファイルのダウンロード対応
- ユーザ使用言語設定
- 使用感の改善
- 複数リソースへの一括操作対応(例:複数VMインスタンスを一度に停止)
- UI全般のダイアログ操作
- AJAXによるフォーム入力値のチェック
- フォームに沿ったヘルプの改善
- コミュニティ
- ヒューマンインターフェースガイドラインの作成と公開
- 開発者向けの豊富なドキュメント
- 内部構造
- 国際化対応(各国語表示)
- クライアントライブラリ変更
旧式化した openstackx から python-novaclient への完全移行
旧式化した python-novaclient の Keystone 対応から python-keystoneclient への移行
動的な操作作成を容易にするクライアント側テンプレート機能
CSS/JS フレームワーク起動を使用する為のフロントエンドのオーバーホール
API・クライアントの安定性・信頼性を劇的に改善するエラーハンドリングの集中化
解りやすいテストデータが付属した、テストスイートの完全な修繕
Django 1.4 とクッキーベースセッションのオプションへの上方互換性
OpenStack Identity (Keystone)
- 実装が大幅に変更になりました
- Diablo リリース時の外部 API (Admin API、User API) の保持
- 各OpenStackコンポーネントが使用するミドルウェアの単純化
- 従来単一だったサービス用 admin token をサービス毎のユーザ名・パスワードに変更
- Keystone 本体とミドルウェア双方におけるログ出力の追加(認証・認可における問題の解決に寄与)
- S3 トークン検証と付加的な Swift 機能対応
- Swift ACL 対応
- コンテナへのパブリックアクセスの為の、アクセス制御における匿名アクセス対応
- Nova が Swift にアクセス可能にする為のリセラーアカウント対応(nova-objectstore が不要に)